◎東京都立大学の宮台真司教授が襲撃された。
◎この事件が起きたのは必然ではないか?
◎キッカケは安倍元首相の事件ではないか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――
※筆者は昔、朝日新聞のエース記者のファンでした。
そんなお花畑が、目覚めるキッカケとは?
宮台真司氏への傷害事件は必然である!
◎社会学者宮台真司への襲撃!
2022年11月29日 大きなニュースが飛び込んできた。
報道によると、事件が起きたのは11月29日午後4時17分ごろ
東京都立大学南大沢キャンパスで、
講義を終えて駐車場まで歩いているところを背後から襲撃された。
警察によると講義は午後4時10分まで行われており、
その直後に襲われたことから、犯人は事前に予定を把握していた。
つまり計画的犯行であると見做している。
ただし宮台氏によると、犯人と面識は無いという。
宮台氏はテレビにも出ている著名な社会学者で、
時事問題などにも積極的に発言している。
このような著名な人物が襲撃されたことは各方面に波紋を広げている。
例えば同じくテレビでの発言も多い作家の乙武洋匡氏は
「『私もいつか刺されるのか』という底知れぬ恐怖」を感じていると述べ、
また宮台氏と共演も豊富なタレントの大竹まこと氏も
「驚いたことは驚いたね」とショックを表現していた。
犯人は20~30歳で180㎝程の長身でガッシリした体型。
まだ逃亡しており、事件の背景などはわかっていない(12月1日19:00現在)。
筆者は宮台氏の諸々の考えに対してはそれほど評価していない。
しかしだからと言ってこのような事件は全く容認できない。
筆者はこの事件の犯人に対して最大限の非難をするとともに、
宮台氏の一日も早いご快復をお祈りいたします。
先に指摘したように、この犯人はまだ捕まっていない。
それ故に事件の背景などはわかりようがない。
しかし
・宮台氏を狙った計画的犯行
・宮台氏の顔見知りではない。
・首を狙って執拗に攻撃しており、殺意が感じられる。
などから宮台氏の発言などに一方的に反発して、
氏を狙って犯行に至ったのではないか?
これはもちろん仮定の仮定といった強引な解釈であるが、
それほど大きく外れているとは思えない。
氏の発言に一方的に反発しての犯行
という可能性は高いのではないか?
少なくとも愉快犯的や無差別的なものでもない。
しっかりと宮台氏を狙った犯行であるだろう。
非常に平たく言うと、
氏の発言にムカついたから襲撃した!
こういうことなのだ。
※以下の文章は上記の仮定に基づいて記載する。
◎安倍元首相との共通点!
これは安倍元首相への事件と基本的に一致する。
安倍元首相への事件とは2022年7月8日に
参議院選挙の応援演説中、山上徹也容疑者に襲撃され、
安倍氏の命を奪われた、あの事件である。
山上容疑者は自分の母親が旧統一教会に入信し、
その後多額の献金をしたことで破産し、
大学に進学できなかったなどの多大な影響を受けた。
それにより旧統一教会に恨みを持っていたが、
安倍元首相が旧統一教会と“親密な関係”であると思い込み、
犯行に及んだという。
この事件は当初こそ、安倍氏に対する哀悼の意を表する意見が多かったが、
旧統一教会と自民党もしくは安倍元首相との間に
“親密な関係”があるとの報道が繰り返されたことで、
安倍元首相や自民党への批判的意見が増加した。
翻って山上容疑者に対する支持が増加し、
報道によると多くの差し入れが行われているという。
つまりテロの容疑者を英雄視しているのだ。
因みに安倍元首相が旧統一教会と“親密な関係”いうのは
山上容疑者の勘違いであり、事実はそうではない。
自民党と旧統一教会に“親密な関係”などない。
ところで安倍元首相の事件と宮台真司氏の襲撃の共通点は何かというと、
犯人は私怨で気に食わない人物を襲撃した、というものだ。
◎テロリストへの礼賛!
山上容疑者は旧統一教会によって家庭が崩壊し、
その恨みを晴らすために安倍元首相を襲撃した。
そして宮台氏への事件も宮台氏への個人的恨みが
犯行の原動力になったと思われる。
宮台氏への首を狙い執拗に攻撃したことから殺意があっただろう。
しかし安倍元首相と違い、宮台氏に対しては
特定の団体との関係はなかっただろう。
ただ氏の発言に反発しての犯行である可能性が
高いように思われる。
いずれにせよ、つまり旧統一教会と
“親密な関係”と勘違いしたにせよ、
テレビに出ている有名人の発言に反発したにせよ、
個人的な反発が犯行理由になっている。
そして宮台氏への犯行の遠縁となっているのが、
安倍元首相への襲撃事件である可能性がある。
つまり山上容疑者への礼賛である。
山上容疑者は当初こそ非難の対象だったが、
母親が信者となり多額の献金で家庭崩壊した事実が伝わると、
彼に対する好意的な意見が出てきた。
そして多くの差し入れが届き、
その量は拘置所に収容しきれないほどだという。
またネット署名による減刑嘆願も多く集まり、
現在では1万にも及ぶ(2022年12月1日現在)。
このようなテロリストを礼賛する雰囲気は、
同種の犯罪を助長することになりかねず、非常に危険である。
※テロが政治的影響をもたらすものであれば、まさに山上容疑者はテロリストである。
しかしこのようなテロリストへの礼賛は一部の個人が行っているのではない。
日本社会全体でそれを肯定するかのような雰囲気がある。
つまり安倍元首相へのテロを非難する論調が希薄であるのだ。
◎当初は同情的な世論も…!
安倍元首相はその政治手法および政治的傾向から
多くの反発を受ける人であった。
当然野党においても安倍氏を敵視する風潮があった。
しかし銃撃事件直後には、政治的傾向が違う多くの人々から
哀悼の意を表されていた。
「心からご冥福をお祈りするとともに
このようなテロ行為が発生したことは許されず、断固として非難したい。
立憲民主党とは異なる政治的スタンスを持たれていたが
国政に多大なる歩みを残され、わが国をリードされた元総理大臣として
心から哀悼の誠をささげたい」
と述べた。
「心からのお悔やみを申し上げたい。政治的立場は異にしていたが、
同じ年に生まれ、当選も同期で同時代をともに生きた者として大変悲しく寂しい思いだ」
と述べた。
「ショックしかない。安倍氏は私たちとは政治的なスタンスは対極にあるが、
2度も総理大臣を務め、非常に大きな力を持った政治家だった。
銃撃で命を失われたことにまだ自分の中で整理がつかない。
言論を暴力で封じようとする動きに私たちが言論で
徹底的にたたかっていくことを誓うしかない」
と述べた。
このように当初は安倍元首相には同情的だった。
しかしその傾向は徐々に変化する。
その理由は旧統一教会と安倍元首相(もしくは自民党)が
“親密な関係”であるかのような報道が続いたからだ。
事実、安倍元首相が選挙応援中にテロで倒れたというのに、
国会においては未だに非難決議も挙げられていない。
そしてその傾向は他でもいえる。
当初はそういうこともあったが、多くの機関で安倍元首相の銃撃事件への
非難決議のようなものはほとんど挙げられていない。
例えば日本ペンクラブ!
日本ペンクラブのHPには以下のように書いてある。
日本ペンクラブは、国際P.E.N. の日本センターとして、
言論・表現・出版の自由の擁護、文学の振興と文化の国際交流、
世界平和への寄与を目的とした団体です。
※赤字は筆者
安倍元首相は参議院選挙の応援演説を行っていた。
これは言論活動の一環ではないのか?
その最中の凶弾とはまさに言論弾圧であろう。
それなのに日本ペンクラブでは安倍元首相へのテロにつき、
例えば非難の声明や談話を出していない。
筆者がなぜ日本ペンクラブを取り上げるのかというと、
彼らは1990年の本島等長崎市長襲撃事件では
抗議声明を出しているからだ。
日本ペンクラブもテロに抗議の声明
※1990年1月31日(水) 朝日新聞夕刊9面
この事件は当時長崎市長だった本島等氏が、
「天皇陛下には戦争責任がある」という趣旨の発言をし、
それに反発した右翼団体の構成員から襲撃された。
当時は“言論弾圧”だ!として多くの声が上がった。
日本ペンクラブはその時に声を上げた団体の一つだった。
本島氏は幸い一命をとりとめた。
しかし日本ペンクラブでは抗議声明を出している。
他方、安倍元首相は死亡したのだ。
それなのに日本ペンクラブでは抗議声明は全く出していない。
因みに安倍氏の国葬については、反対の声明を2度も出している。
日本ペンクラブ声明 「安倍晋三氏の国葬について、まずは当面延期が望ましい」 2022年8月3日
日本ペンクラブ声明 「日本ペンクラブは改めて今般の国葬に反対します」2022年9月22日
◎左翼の傾向!
ところでこのような傾向は
日本の言論界が左翼に支配されていることが原因である。
ところで「左翼」とは何だろう?
本来、左翼とは共産主義者や社会主義者を言う。
そして昔は実際にその通りだった。
しかし東西冷戦以後はそのような傾向は無い。
なぜなら共産主義者などは
日本社会の中で嫌われているからだ。
自分は共産主義者だ!
そういうだけで嫌われてしまう。
では日本社会での「左翼」とはどういう存在だろうか?
日本の中で左翼とは共産主義者や社会主義者ではない。
では日本の左翼とは何か?
筆者は日本の左翼について次の2点を挙げる。
・反自民党的スタンスを持つ。
・戦前の日本を絶対悪とする。
これが日本の左翼の傾向である。
日本の左翼とは反自民党的スタンスをとる人。
つまり自民党に反対する人なのだ。
これは荒唐無稽な定義ではない。
「左翼」もしくは「右翼」とは
フランス革命の時の議会の議席の並びに由来している。
当時の議会の議席は、
議長席から見て右側が保守的、
左側が進歩的な人たちが占めていた。
それ故に右翼=保守的、左翼=進歩的となった。
そして保守的な人は現状をある程度肯定する。
進歩的な人は現状をある程度否定する傾向があった。
現在の日本の現状とは自民党政治だ。
つまり自民党政治に関して基本的に肯定するのが保守。
基本的に否定するのが進歩というのはそれほどおかしな定義ではない。
つまり左翼の傾向とは反権力反体制=反自民党であるといえるのだ。
◎マスコミの現状!
ところで先ほど筆者は
日本のマスコミは左翼に支配されている、と書いた。
これはどういうことだろう?
それは自民党の支配と密接な関係がある。
戦後の日本政治は概ね自民党が支配してきた。
つまり自民党が政権与党だったのだ。
そしてマスコミは反権力反体制を旨とする。
つまり権力と対決している。
これが正しい行動だと彼らは考えている。
現在の権力とは自民党、つまり保守的な政権だ。
それ故にその反対、つまり左翼がマスコミには生息しやすい。
自民党に反対の論陣を張るには
左翼的思考の記者の方が仕事をしやすいのだ。
自民党が政権与党であるが故に
マスコミは左翼が多くなるのだ。
そしてそれはマスコミだけではない。
反権力反体制を旨とする「知識人」「市民運動家」「弁護士」なども
いわゆる左翼が多くなる。当然日本ペンクラブもそうだ。
それ故に日本ペンクラブのような左翼にとって
都合が悪い政治家=安倍元首相が悲劇の政治家になることは困る。
だからその死を極力否定しようとするのだ。
それが安倍元首相へのテロを非難することを躊躇させている。
因みに安倍元首相が左翼にとって都合が悪い政治家というのは
彼らのもう一つの特徴である「戦前の日本を絶対悪とする価値観」に
安倍元首相が否定的だったからである。
それがマスコミの現状であり、
左翼の現状であるといえる。
◎テロ擁護の風潮が宮台事件の引き金に!
このように安倍元首相に対する左翼の反発が、
安倍元首相へのテロ行為に対して容認するという土壌となる。
彼らは「容認などしていない」というだろうが、
実際には容認している。
なぜなら山上容疑者に対する非難をほとんどしないからだ。
事実、国会で非難決議さえしていない。
彼らはよく言う。
「黙っているということは認めたということ」…と
つまり安倍元首相へのテロに黙っているということは、
テロ行為を容認したということなのだ。
つまり日本の国会や日本ペンクラブはテロを容認しているのだ。
そしてその傾向はマスコミでも、知識人でも顕著である。
そういった傾向が
私怨を晴らすため相手を襲撃しても構わない
という風潮を作り、今回の宮台事件のキッカケになったといえるだろう。
先に書いたように、宮台事件に関しては
犯人が捕まっていないこともあり、犯行理由はわからない。
しかし安倍元首相への襲撃事件に対して、
犯人である山上容疑者に対して批判するより、
むしろ礼賛するような雰囲気さえある。
それに対してマスコミなどの危機意識は希薄である。
それこそが今度の事件を起こす犯人の
背中を押す動機になったのではないか?
現在の風潮は危険である。
山上容疑者を徹底的に非難しないのは危険である。
こういう風潮が続けば、自分が気に入らない相手にテロをしても
それが容認されると勘違いする輩が出てくるだろう。
そういう意味では…これは…
宮台氏の事件が起きたのは必然だったといえるだろう。
※筆者は昔、朝日新聞のエース記者のファンでした。
そんなお花畑が、目覚めるキッカケとは?