日本共産党が代表公選制を訴えた党員を除名
党側は異論排除ではなく、規約違反と説明!
これは47年前に予言されていた!
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筆者は昔、朝日新聞のエース記者のファンでした。
 そんなお花畑が、目覚める
キッカケとは?

 

 

今回の処分を予言したジャーナリスト!
以下の文章は以前書いたこちらも併せてごらんください。

 

 
 動画も作りましたので、併せてごらんください。
 


除名処分!

ある人が党中央に反対の意見を持ち、

その意見を全党にアッピールできれば、

党中央の決定をくつがえすことができるかもしれないという場合でも、

その人がそうした動きをしたとたん規律違反で処分され

党から追い出されてしまう

「日本共産党の研究(1)」立花隆 P28より  赤字、強調は筆者


 

日本共産党の党員が著書を出した。

彼はその中で代表の公選制を共産党の執行部に訴えた。

日本共産党では20年以上、志位和夫委員長の体制が続いており、
その状況に危惧を感じて反旗を翻したのだ。

その主張をしたのが松竹伸幸

日本共産党には50年近く所属した人物だ。

その松竹氏が出した著書は「シン・日本共産党宣言」。
しかしその行動により松竹氏は党から除名処分を受けた。

日本共産党の規約では処分は4つあり、軽い順に
「警告」「権利停止」「機関からの罷免」「除名」とあり(第49条)
その中で「除名」は一番重い処分である(第54条)

第五十四条 除名は、党の最高の処分であり、

もっとも慎重におこなわなくてはならない。 ~後略~

赤字は筆者

 

今回の日本共産党の処分には批判が集まっている。

例えば朝日新聞では以下のような社説を掲げた

共産党員の除名 国民遠ざける異論封じ

党のあり方を真剣に考えての問題提起を、

一方的に断罪するようなやり方は、

異論を許さぬ強権体質としか映るまい。

202328日 朝日新聞社説 
 


また毎日新聞でも社説で批判をした

共産の党員除名 時代にそぐわぬ異論封じ

 組織の論理にこだわるあまり、

異論を封じる閉鎖的な体質を印象付けてしまったのではないか。

2023210日 毎日新聞社説

 

 

異論があるから排除するのは民主主義的ではない。
それを「民主主義を守る」と公言している日本共産党
自ら反民主主義的な排除をするのは辻褄が合わない。

マルクスが創設した科学的社会主義(共産主義)の運動は、

民主主義と矛盾するどころか、民主主義を徹底して守り

発展させる立場に立つものです。

 200798日 しんぶん赤旗より  ※赤字は筆者

 

 それに対して日本共産党はこれらの批判に反発している。

例えば朝日新聞の社説に対して日本共産党の機関紙「赤旗」は
「結社の自由」に対する乱暴な攻撃――「朝日」社説に答える
として反論を行った。


その内容は、松竹氏の除名処分は異論を言ったからではなく、
党の規約に違反したからだ。日本共産党は異論を容認している。

 と、いうものだった。

 今回の除名処分は、松竹氏が、あれこれの異論を持ったことに対してではなく

それを党規約がさだめたルールに基づいて表明することを一度もしないまま、

突然、規約と綱領に対する攻撃を公然と開始したことが、

党員の資格と両立しないものとして行われたものです。

赤字は筆者

 

 確かに日本共産党の規約にはそのような条文がある

3条第5

 意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。

5条第4

党の会議で、党の政策、方針について討論し、提案することができる。

5条第6

党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。

また、中央委員会にいたるどの機関にたいしても、

質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。

 このように党の内部で異論は言える。
しかし党内で異論を言わず、外部に向かって意見を発信した
それ故に規約違反を理由に処分したという。

 つまり松竹氏への処分は、異論を言ったからではなく、
党の規約違反が理由だった。

 この日本共産党の主張は間違いだろうか

 

 

 

 

松竹氏の党規約違反は免れない!

 実はこの赤旗の言い分は全く間違っていない
松竹氏は間違いなく党規約に違反したのだ。

 松竹氏は日本共産党のベテラン党員だ。
その党員(だった人)が党規約を読んでいない訳がない。

 事実、今回出版する書籍の関係で
繰り返し読んでいることを認めている

私は、『シン・日本共産党宣言』を書くに当たって、

これまでの党員人生48年のなかでなかったほど、

綱領と規約を学びました。10回や20回程度ではありません。

 つまり松竹氏は党規約を理解しながらも党規約を破った。

 それなら処分(「除名」が適切かはさておき)されるのは仕方がない。

 

 それ故に日本共産党が主張しているのは間違っていない

 

 つまり異論は認めている訳だから、
日本共産党は極めて民主的な組織だ。

反民主的という批判は的外れだ。

松竹氏は異論があれば党内で提案すればよい。
そういう努力を全くしないでいきなり外に向かって発表した。

だから党規約違反となる。

日本共産党の処分は以下によると、


 松竹氏の一連の発言および行動は、

党規約の「党内に派閥・分派はつくらない」(第3条4項)

「党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない」(第5条2項)

「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」(第5条5項)

という規定を踏みにじる重大な規律違反です。

 

 こう主張したいようだ。
これはそのまま首肯できるのだろうか?

 

 

 

 

 

党規約自体が問題!

 これは形式的には正しい。しかしやはり民主主義的では全くない。
なぜなら党規約自体が反民主主義の内容だからだ。

 それはなぜか?
日本共産党の規約には以下のような内容がある(以下赤字は筆者)

5条第5

 ~略~  党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない

5条第8

党の内部問題は、党内で解決する。

 つまり内部の意見を外に発表することができない
例えば自民党議員などがやるように記者会見をして、
もしくはテレビに出て党の方針と違うことは言えない。

 事実、今回の松竹氏への処分もこれが理由の一つになっている

「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」(第5条5項)



 さらに党規約は異論があっても上部組織の命令を拒否できない。

5条第5

党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、

自分の意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する

 

 つまり異論がある場合、党から外へ勝手に意見を発表できない。
また部内では意見は言えるが、それはただ聞き置かれるだけで、
「それでもやれ」と命令されたら、実行しなければならない。

 大体、党規約第5条第6項には党中央への質問は許されるが、
それを党中央が回答する義務は無いのだ。

5条第6

~略~  中央委員会にいたるどの機関にたいしても、

質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる

 このように「できる」であり、党中央の回答義務はない

 

 それでも部内で意見を言えるのなら、徐々に賛同者を増やしていき、
それで上層部を突き上げればいいではないか?
そう思うかもしれない。

 しかしそれもできないのだ

 なぜなら分派活動は禁止されているから。

3条第4

党内に派閥・分派はつくらない。

 このように共産党内部で同志を募り、執行部の突き上げなどはできないのだ。

 

 だから言論の力で日本共産党を変えようと思ってもできない。
それは「分派活動の禁止」などの党規約に必ず抵触するからだ。
日本共産党では異論が言えないように規約が決まっているのだ。

 日本共産党は「異論があれば言うことができる」としながら、
実際には異論が言えないようになっているのだ。

 これは民主的な規約に問題がある

 そのことを指摘したのがジャーナリストの立花隆氏である。

 

 立花氏は約47年前(1976年)に文藝春秋誌上において、
日本共産党の研究」の連載を始めた。
連載は約2年間続き、その後書籍化された。

 立花氏は著書の中で戦前の日本共産党の創成期から遡り、
日本共産党の体質を炙り出している。

 その中に今回のことを予言したかのような記述がある。

 

 

 

 

民主集中制とは?

 立花氏によると、日本共産党(というより全ての共産党)
非常に大きな弊害とは民主集中制である、という。

 民主集中制は共産党の組織形態で、現在でもそれは守っている

第三条 党は、~略~ 民主集中制を組織の原則とする。 ~略~

 

では民主集中制とは何か?

 立花氏によると民主集中制は「民主主義」と「中央集権制」を
「中央集権制」を優位にミックスさせたものであるという。

 民主集中制とは、民主主義と中央集権制という水と油の要素を

後者の優位の上に組立てたものである。

 日本共産党の研究(1)」立花隆 P27より  赤字は筆者。

  この民主主義の部分は、中央集権の部分にくらべていかにも弱い

 ※日本共産党の研究(1)」立花隆 P28より  赤字は筆者。

 

 このように民主集中制とはあくまで「中央集権制」であり、
民主主義とは相容れないものなのだ。

 

 ではどうして日本共産党は民主集中制を維持しているのかというと、
立花氏によると、それは暴力革命を目指すものだからという。

 民主集中制は、その本質が独裁制であるが故に、

日常的な政治システムとしてはまったくいただけないものであるが、

革命組織の組織原則としては、きわめて有効なものである。

とりわけ暴力革命をめざす組織としては、 ~略~

これ以上に有効な組織原則を見出すことはできないだろう。

 日本共産党の研究(1)」立花隆 P3031より  赤字は筆者。

 

 民主集中制とは軍隊のようなものであり、
日常的な政治を行うには不適切であるが、
有事の時に機動的に動かすには極めて有効なものだ。

 それ故に日本共産党は民主集中制を維持している。
立花氏はそう言っているのだ。

 

 

 

 

立花隆の予言!

 そして「日本共産党の研究」には
今回の松竹氏の事件を予言したような箇所がある。
それが以下の部分だ。

ある人が党中央に反対の意見を持ち、

その意見を全党にアッピールできれば、

党中央の決定をくつがえすことができるかもしれないという場合でも、

その人がそうした動きをしたとたん規律違反で処分され

党から追い出されてしまう

日本共産党の研究(1)」立花隆 P28より  赤字、強調は筆者

 

 これはまさに今回の松竹氏のことを指摘しているのではないか?

 確かに松竹氏は「全党にアッピール」しなかった。
しかし異論を述べた。そしてそれだけで排除された。

 それも規律違反で!

 

 先に指摘したように、日本共産党の規約では異論は言えない。
例え党内で言ったところで、もみ消されるのがオチだ。

 外には言えないし、仲間を集めると分派活動で処分される。
つまり党内で、たった一人で言うしかない。

 しかも上層部の命令には絶対服従なのだ。

 事実上、異論は言えないのだ!

 だから立花氏もこのように指摘する。

 結局、この民主集中制という制度のもとでは

党中央反対者は個人としてしかありえない

日本共産党の研究(1)」立花隆 P28より  赤字は筆者

 

 日本共産党は民主的な組織ではない。
元々、共産主義など民主的ではないのだ。
今回の松竹氏の事件はそれが明らかになっただけであり、
日本共産党の体質は47年前も今も少しも変わっていない
1976年の連載開始から2023年まで

 

 今回の日本共産党の言い訳は
「異論を言ったからではなく、規約違反だ」というもの。

 しかしそれも47年前から使っている

 (数々の反対派追い出しの実例を挙げた上で)

こうした反対派の追い出しが象徴する

党内言論の自由の圧殺に関して、

共産党中央がその説明に必ず用いる詭弁は、

「彼らが追い出されたのは反対意見を述べたからではない。

反対意見を述べる自由は党内で保障されている。

彼らが除名されたのは、すべて反党行為、

分派活動などの規律違反を犯したからだ。」

というものである。

日本共産党の研究(1)」立花隆 P346より  赤字は筆者

 

上記の詭弁を47年後の日本共産党も述べている。
 日本共産党の田村智子政策委員長は以下のように述べた

 松竹氏を除名処分にしたのは異論を持っているからではない。

 ~略~ それは党規約上のルールに全く反するものであるということだ

 2023210日 産経新聞

 

全くそっくりだ!

 

日本共産党の体質は変わっていない。
それは民主集中制という組織形態を持っているが故の必然である。
民主集中制とは中央集権制であり独裁制だ
民主主義と相容れないものだ

それであるが故に、異論を言った松竹氏を除名したのだ。


 しかし日本共産党はこれまでもそういう政党だった。
 だから驚くにはあたらない。
 今回の事件でそれが白日の下に晒されたに過ぎない。

ところで問題なのは他の野党だ。

もしこんな日本共産党と今後も連携していくのなら、
その政党も民主主義的と言われても仕方がない。

 

 

 

 

筆者は昔、朝日新聞のエース記者のファンでした。
 そんなお花畑が、目覚める
キッカケとは?