◎社民党の分裂劇!
◎日本社会党に遺産などない。
◎これは国民を騙し続けてきたツケだ!
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※筆者は昔、朝日新聞のエース記者のファンでした。
そんなお花畑が、目覚めるキッカケとは?
福島瑞穂代表に見る社民党凋落の理由!
◎社民党の分裂!
11月14日に社民党で臨時党大会があった。
そこで社民党の分裂が決定した。
決定したのは分裂ではないが、社民党を存続させた上で、
立憲民主党に合流する人に対しても「理解し合う」という内容を決議した。
これによって社民党から離脱して、立憲民主党に合流することも可能になった。
現在、社民党の国会議員は4名。そのうち代表の福島瑞穂議員を除く3名が
立憲民主党への合流に前向きだという。
事の起こりは昨年12月、立憲民主党の枝野代表が国民民主党と社民党、
そして無所属の議員に対して合流を呼び掛けたことに始まる。
その後、国民民主党は一部が離脱後に合流し、無所属(元民主党員が多い)も同様の対応をした。
しかし社民党は意見集約が遅れており、また1年以内に衆議院選挙があることからこのようなことになった。
それ以上に問題だったことは社民党の党勢の衰退だ。
社民党自体は1996年からの政党だが、その前身は日本社会党だ。
55年体制の一方の雄であり、自民党に対抗する野党第一党として
一時期には衆参で200名を超える国会議員を擁していた、それが日本社会党だった。
しかし村山富市首相を輩出した後は鳴かず飛ばずであり、
その後は勢力の衰退の一途を辿った。
そして現状ではジリ貧になるだけなので、それを打開するべく立憲民主党との合流を目指した。
そのため「社民党を無くすな」というグループと、立民への合流するグループで対立し、このような分裂劇となった。
報道によると臨時党大会はかなり荒れ、吉田幹事長への解任動議や福島代表への非難なども出て、かなり後味が悪かったようだ。
そして「理解し合う」という決議は167票中84票のギリギリで可決。
分裂が決定的になった。
◎村山元首相の嘆き(戯言)!
この騒動に対して社民党の元代表であった村山富市元首相も
やむを得ないこととはいえ、党が分かれてさらに小さくなることは残念でならない。
とコメントしていた。
「さらに小さく」とは言いえて妙である。
元々国会議員が4名の小さい政党だが、その内3名が出ていき(予定)、1名しか残らない。
国政政党としてはこれ以上ないくらいに小さくなったということだ。
国会議員1名では国政政党と言っていいのか疑問だ!
しかし村山氏のこのコメントには若干の違和感がある。
現在のこのような状況を作り上げてきたのは村山氏の責任も大きいからだ。
村山氏は1994年~96年に政権を担った。それが現在の社民党の凋落のキッカケだった。
元々日本社会党は自民党への対抗上も憲法9条を守ることを党是としていた。
その流れで自衛隊は違憲であり、日米安保にも反対していた。
それだけではなく消費税を否定し、廃止することを主張していた。
しかし村山首相が誕生すると、憲法9条を除くほとんどを受け入れた。
もちろん現役の首相が「自衛隊は違憲である」と言えるはずがない。
だがそれを日本社会党時代には主張していたのだ。
この180度の方針転換により、多くの支持者を失った。
大体、この村山政権自体が日本社会党支持者を混乱させた。
社会党時代は自民党を批判しており、その多くで対立していた。
それが自民党と手を握り、せっかく自民党を下野させたのに政権復帰する手助けをした。
そのため1995年の参議院選挙で日本社会党は大敗した。
この時の改選が1989年の当選者だった。当時は土井たか子ブームにより、
それ故により敗北が目立つこととなった。
このように社民党の凋落のキッカケを作ったのは村山元首相である。
もちろん村山氏だけの責任にすることはできない。
しかし確実に村山氏の責任も大きいと思われる。
また村山氏がこのような対応をとったのは日本社会党の無責任な対応だった。
「自衛隊は違憲である」などという荒唐無稽な主張を長年に渡って主張してきた。
それ故に自らが政権を担うとその整合性を問われることとなった。
村山氏としては首相になった以上、「自衛隊は違憲だ」とは言えない。
だからこれまでの日本社会党の主張を覆して、「合憲」と言わざるを得なかった。
つまりこういうことだ。
歴代日本社会党は「自衛隊は違憲」と主張してきた。
↓
村山氏は首相時にその主張の整合性を問われた。
↓
自衛隊が存在する現実と社会党の歴代の主張の齟齬を調整するため、
村山首相は社会党の主張を引っ込めて、自衛隊を容認した。
↓
梯子を外された社会党員が反発。勢力が衰退に向かう。
このような状態となったのだ。
もちろんこれ以外にも理由はたくさんある。
先に少し触れたが、日本社会党は1989年の参議院選挙で大勝した。
その際は土井たか子ブームもあったが、もう一つ焦点となったのは消費税だった。
現在定着している消費税だが、導入する時には国民の大きな反発を受けた。
これにはその3年前の1986年のダブル選挙の際、
自民党の中曽根首相が「大型間接税は導入しない」と明言したからだ。
しかし選挙に勝利すると前言を翻し、大型間接税=売上税を導入したのだった。
この売上税は国民の反発受けて撤回したが、
結局、竹下政権(1987年~89年)の時に消費税という形で導入された。
1989年の参議院選挙の自民党の大敗はその民意の反発だった。
因みに竹下登氏は中曽根首相が「大型間接税は導入しない」と
明言した時の大蔵大臣(現財務大臣)だった。
つまり日本社会党が1989年の参議院選挙で大勝したのは、
消費税導入を強行した自民党政権への批判票の受け皿だったのだ。
しかし村山氏が総理大臣になると、その民意を踏みにじって消費税を容認する。
それまで多くの社会党議員や支援者が「消費税廃止」を旗頭に運動してきたが、
それを裏切って消費税の容認したのだ。
このようなことも加わって日本社会党は支持を失い、そして現在の体たらくに繋がっていく。
◎先輩の遺産など存在しない!
このように考えると社民党の臨時党大会の席上で、
照屋寛徳衆院議員が福島代表に対して
「先輩方が築いた遺産を全て食いつぶしたのはあなただ」
と主張したことには違和感がある。
社民党には先輩方の遺産どころか、旧日本社会党時代からの借金塗れだった。
そのような状況の中で舵取りを担ってきた福島代表には気の毒だとも思う。
先にも触れたように、特に安全保障に関しては日本社会党時代から
荒唐無稽な主張を繰り返してきたのだ。
こういった主張は当然のちの後輩たちを拘束する。
そういう意味では誰がやっても社民党の凋落は避けられなかった。
日本社会党の面々が歴代に渡って積み上げてきた「嘘の連鎖」こそ、
現在の社民党の凋落を決定づけてきたのだ。
◎社民党の罪とは何か?
筆者は先に福島代表を「気の毒だとも思う」と書いた。
これはもちろん福島代表を擁護するためではない。
福島代表は1996年に社民党が出来てから、
10年もの長きに渡って代表を務めた(2003年~2013年)。
これは24年に及ぶ社民党の歴史の中で最長だ。
その福島代表に責任が無い訳がない。
ただ旧社会党の呪縛があったことは事実だろう。
しかしそれを差し置いても、やはり福島代表の罪は重い。
ところで福島代表の罪とは何だろう?
福島代表の、そして社民党の罪は国民を騙したことである。
これはもちろん旧日本社会党も含む。
国民を騙したとは何だろう?
先の自衛隊への日本社会党の主張に戻ろう。
日本社会党は歴代ずっと「自衛隊は違憲だ」と主張してきた。
彼らの主張は
日本国憲法第9条により、日本は戦力を持たない、
そして自衛隊は戦力なので憲法違反である。
というものだった。
これはこれで筋が通っている。
元々政府も憲法9条の解釈で「戦力は一切持たない」と答弁してきた。
例えば1952年3月10日の参議院予算委員会での吉田首相の答弁では
たとえ自衛のためでも戰力を持つことはいわゆる再軍備でありまして、この場合には憲法の改正を要するということを私はここに改めて断言いたします。而して再軍備をしないということは、私が従来しばしば申上げた通りであります。
※赤字は筆者
このように「自衛のためでも」戦力を持つには憲法改正が必要であると述べている。
つまり現行憲法では戦力は(自衛のためでも)一切持つことはできないのだ。
このような政府の答弁もあり、日本社会党は「戦力である」自衛隊を違憲としてきた。
しかし自衛隊が国民の定着し、政府の解釈も
「自衛のための必要最低限の戦力は憲法9条に違反しない」
というように変わってきた。
だが日本社会党は「自衛隊は憲法違反」という考えを維持してきた。
これはいわば国民を騙してきたのも同じだ。
自衛隊の存在が違憲と思えば、そのまま主張を貫けばよい。
自衛隊の存在が必要と思えば、存在を認めればよい。
その際に、憲法9条と自衛隊が衝突するのなら、
憲法を改正して自衛隊を位置付ければよいのだ。
しかし日本社会党のやって来たことは、憲法を守りながら自衛隊を合憲とし、
そしてその転向の説明は一切国民にしていない。
長年国民に嘘をつき、国民を騙してきた。
そのツケが回ってきたと言えるだろう。
社会党の面々がいつ「自衛隊が合憲である」と考えたかはわからない。
しかしあるタイミングではそのように考えたのだろう。
なら…それ以降は国民を騙してきたのだ。
そして多くの国民は日本社会党、そして社民党に騙されたと思うから、
その主張に耳を傾けることもなく、それ故に党勢が衰退の一途を辿ったのだ。
自分たちが(自衛隊は違憲だと)信じていない。
それを信じたフリをして「自衛隊は違憲だ」と主張する。
これで支持される訳がないだろう。
◎社民党は継続して国民を騙す!
そういう意味では社民党とは
日本社会党時代から国民を騙してきたと言えるだろう。
自衛隊は必要と思いながら、「自衛隊は違憲」と主張し、
消費税は必要と思いながら、「消費税は廃止」と主張し、
憲法9条など無意味と知りながら「憲法を守れ」と主張する。
このような嘘を繰り返し、国民を騙してきたことこそ
社民党という政党の本質なのではないだろうか?
こうやって国民を蔑ろにすれば、信用を失っていくのは当たり前だろう。
そういう意味では長年繰り返し国民を騙してきた社民党が
現在の状況になっているのは至極当たり前と思える。
そしてその“歴史と伝統”は今でも継続されている。
臨時党大会を終わって、福島代表は記者会見をした。
その中で福島代表は以下のように発言した。
新生社民党をつくるべく、たくさんの人とこれから頑張っていきたいと思っている。
新生社民党などない。
そしてそれは福島代表もわかっているはずだ。
わかっていながら、まるで社民党が再生するかのような発言をするとは
また国民を騙すのか?
まあさすがに現在の社民党に騙される国民は多くないだろう。
国民は社民党に散々騙されてきたのだから。
※筆者は昔、朝日新聞のエース記者のファンでした。
そんなお花畑が、目覚めるキッカケとは?